いつもと様子の違うジュンに戸惑い、横顔を伺ったけど、真剣な瞳は、前を見つめたままだった。
「そんなにすぐには見つからないよ」
別に、投げやりなわけじゃないんだ。
焦りがないとは、言えない。
でも、何も確信はないんだけど、私はこの旅を終える時に、何か見つかりそうな、そんな予感がしていたんだ。
「ねぇ、ジュン」
「ん?」
「ジュンの夢って……やっぱり歌、なの?」
今日もジュンの背中には、いつもの相棒が一緒だ。
バッグパックは人より小さめで、荷物なんてほとんどないくせに、いつもこのギターだけは肌身離さず持ち歩いてる。
片時も離さず。
でも、ジュンの口から語られた夢は、歌ではなかったんだ。