ジュンに連れてこられたのは、アレクサンダー広場にあるテレビ塔だった。
300メートルを超える高さの細いタワー。
その高さ200メートルの所にある展望台からは、360°ベルリンの街を見渡すことができた。
あちこちが建設工事中の、未完成の街。
古いものと新しいものが融合した、あらゆる可能性を秘めた街。
この街が秘める可能性は、無限大のように感じるんだ。
突き抜ける青空と、どこまでも続く街並みに目を向けたまま、ジュンは真面目な顔と低いトーンで問いかけてきた。
「なぁ、レイ、この前言うてた探し中の夢、もう見つかったん?」