戦勝記念塔、ポツダム広場を見終わった私たちがたどり着いたのは、ベルリンの壁博物館だ。
さっきのジュンの話を裏付けるような事実を、目の当たりにした。
一つの国を分断するために出来た、大きな壁。
それは国を、人々を、かけがえのない家族をも引き裂いた。
そして、その壁を越えようとするものは、容赦なく射殺されたそうだ。
それでも、自由を求め、大切な人を求め、その壁を越えようとした人々がいた。
車を改造してタンクの中に身を隠して逃げた人、壁に面したアパートの窓から西へ飛び降りた人、壁の下にトンネルを掘った人、気球で壁を越えて逃亡した人―――
まるで作り話のようだけど、実際に使用された器具がたくさん展示されていて、その事実を、生々しく伝えてくれていた。
命を掛けて挑んだ人々の記録が、そこにはあったんだ。