そう言って思い出されるのは、お父さん、お母さんの顔。
そして、ハイデルベルクで別れた、リリィとアキの顔だったんだ。
想像しただけで、足元から凍りつくようだ。
体中に寒気が走り、動けなくなるようだった。
もう、二度と……会えないなんて―――
「俺な、このままリリィやアキに会えへんなったら、絶対後悔すると思うねんな。なんで、あんな風に、別れたんやろうなぁ」
ポツリと聞こえた声に、思わず振り返ると、そこには、ジュンの後姿があったんだ。
そう力なく言うジュンの背中は、後悔でいっぱいで、今にも泣き崩れてしまいそうなほど、弱々しく見えたんだ。