舞子が私になにか話しかけようとした
と同時に予鈴のチャイムが鳴った。
みんな席に座る。1時間目の古文が始まる。退屈すぎ。前を見ると舞子とほかの女子が楽しそうにおしゃべりしているのが見えた。
『私って舞子にとってどういう存在?』
学校に来る度、私の頭の中はこの言葉で埋め尽くされる。
私も舞子みたいにチヤホヤされたい。どうしていつも一緒にいるのに舞子だけ?舞子はほかの女子といる時は私のことほったらかし…。それならいっそ……
『消してしまいたい』

「沙羅さん?具合でも悪いですか?」
先生のその一言で我に返った。あれ、私今…。
「あ、すみません。大丈夫です」
ニコッと笑い返す。
「そう、無理しないでね」
そう言うと先生はまた授業を再開した。
教室が静まり返りなんとなく空気が重い気がした。