やった、殺せた。

そう思ったのは一瞬。押したはずの舞子の体をなぜか腕が突き抜け自分がフェンスから落ちていく。
走馬灯のように蘇る記憶。記憶…記憶…。
私は全部思い出した。
あの日、走って舞子が帰った日。途中トラックに引かれ病院に搬送されたが死亡した。…舞子は既に死んでいた。だから風華も周りの友達も見えてなかった…。私が…復讐に囚われて。嫉妬ばかりしていて…まわりのことなんてこれっぽっちも頭に入っていなかった。
はぁ。つまんない人生だったなぁ。
アスファルトギリギリ寸前で頭の中に響いた声。

『ずーーーっと一緒だよ』
その言葉はどこか笑っているようでとても懐かしい声だった。




end