「龍ちゃんー!大丈夫?」

できるだけ元気に、明るく言った。

「大丈夫なわけねえだろ!?」





バン!!







龍ちゃんが近くの枕をこちらに投げていた……。

「……もう、無理だよ。」

「え?優羽?」

優羽は、走っていった。

……龍ちゃんから逃げたんだ。

本当は、私だって逃げたかった。

でも、龍ちゃんの瞳が私を見ていたことに、少し嬉しくなったんだ。

……不謹慎だよね?

あの後、おばさんから聞いた。

龍ちゃんは、脊髄損傷で下半身不随になったと……。