だが、俺はあいつのことを昔から


知ってる。


いわゆる幼なじみというやつだ。


だが、あいつは俺を知らない。


正確に言えば、覚えていない。


俺のせいで...。


俺のせいで、あいつは幼い頃の記憶を


なくした。


そのなくした記憶の中に俺はいる。


俺にはあいつしか見えてねぇ。


もう思い出せなんて言わねぇ。


ただ、今の俺を知って


好きになってほしい。


俺は、そう思うだけだ。