あの日からコソコソと、私は行動するようになった。




和成さんはああ言ったけど誰かにいって見張られてるかもしれない。



もしかしたら翔平さんにはバレているかもしれない。










……あの日、私は気絶した新を介抱して目を覚ました新に嘘をついた。






私の兄と、和成さんと3人で小さい頃遊んでたけど両親の離婚で離ればなれになった、と。





新は、なんで逃げたの? って訊いたけど、私は、顔を合わせにくかったって言った。






絶対に納得していないけれど、私の「もう訊くな」という視線に新は諦めた。








「元々、俺は紬サンのこと、なにも知らないから」








新の言葉にはガッツリと線引きの意味が込められていた。



私は、彼らの仲間にはなれないと。


少なくとも、新は私を疑い続けると。






「……千哉も、誰も私のことを知らないよ。」






「謎だね」






「……ミステリアスな女って、怖いよね」









そんな会話をして、新が苦笑いしたのを覚えている。





その新は極力私に関わってこなくなったけど、私が和成さんと知り合いだと言うことを特に千哉たちに報告してもいなかった。






……なんでかは、わからないけれど。