「…………3ヶ月」
「え?」
「正直、俺も翔平の紬ちゃんへの暴力はどうかと思ってたところもあるし。
3ヶ月間黙っててあげる」
……いきなり、どうしたんだろう。
絶対に連れて帰る気満々に見えた和成さんが、いきなり3ヶ月も待つなどと言い出した。
「……なんで」
「そんなの、言ったらつまらないでしょ。
言っとくけど、俺は雷神のために動く人間だから。俺が優しくて見逃すんじゃないよ」
そう言って、和成さんは私の腕を離した。
力が抜けて立てない私を上から見下すように、和成さんは笑った。
「楽しみだなぁ、3ヶ月後が。」
なにか企んでいる。
そんなのはわかっていたけれど、それでも、私は彼らといたかったから。
「……学校では、私にもう関わらないでください」
「……そのつもり」
なにも、この先のことは考えないようにした。
今だけを、考えようと。
私は、翔平さんたちのことから逃げ出したのだ。