AEGIS……



それが彼らのチーム名と気づくのにそう時間はかからなかった。








「……私は、その名前を今はじめて聞きました」






彼らの素性なんて、知らない方が幸せだったから。








「紬ちゃんはバカじゃないよね。




彼らが暴走族なことに気づいて、俺らの敵か味方か。

どっちに転んでも自分に不利なこと、わかってるもんね?」






和成さんの言葉は図星過ぎて、私が今まで避けてきた答えをズラズラと並べる。








「どーよ? 正解は、敵だよ。




なにか、いい案は浮かんだ?




雷神連合トップの妹の紬ちゃん」







「私は、妹じゃありません」




「そうだね……ある意味、翔平からみたら紬ちゃんは妹じゃないかも」





妹じゃないかも、ではなく妹ではない。



血の繋がりもない、心の繋がりもない。








……書類のみが、私たちを兄妹だと言っているだけで、私たちはそうは思っていない。









「修太も、紬ちゃんに会いたがってる」




「私は、会いたくありません」










「なら、しょうがないね。



戻ってこないなら、紬ちゃんが翔平の妹だってばらしちゃおうか」







和成さんは私を掴む力をさらに強めた。

逃がさないとでもいっているようだ。







けど、どうしても帰りたくない。

地獄の日々に。




そう考えると、あのとき怪我した足がズキンッと痛んでさらにあの日を思い出させる。









和成さんが私の歪めた視線の先を追って、足を怪我していることに気づく。





そして、少し考えて、なにか閃いたように顔をあげた。