「近づかないで……」






「ねぇ、そんなに俺が怖い? 別に俺、紬ちゃんに暴力振るったこととか、なかったでしょ?」





そういう問題ではない。




翔平さんと、修太くんと。

和成さんの3人の雷神連合という組織が、



私のなかでは恐怖で、なによりも遠ざかりたい存在だったのだ。







そんな私の気持ちとは裏腹に、和成さんは私に手を伸ばして、腕をつかんだ。







「早く戻ってきてよ。


俺は別に紬ちゃんがいなくてもいいんだけどね?





翔平と、修太が、狂ってるから。






ねえ、帰ろう?」






狂ってるから。



その一言に私はあのときの修太くんを思い出した。








さらに、和成さんは続けた。



その表情から言おうとしてることがなんとなく予想がついて、ききたくなくて、






耳を塞ごうとしたけど、彼に掴まれている腕のせいで、塞げなくて、








「ていうか、紬ちゃん、なんで、







AEGIS(イージス)の奴等といるの?








俺らの、敵なのに」









その言葉は、私の僅かな希望を打ち砕いた。