ざわ……ざわと、廊下に花道ができる。




なんとなく予想はできたはずだ。






私と私をおぶった千哉は好奇の目を向けられていた。






「ねぇ千哉さんが……」



「嘘でしょ!? 誰あの女!」






うあぁぁぁあ、初日から悪目立ちしてしまった。



きっとこれでは、女の子のお友だちなんてできないだろう。



なんとなく、なんとなくすごい人たちなんだろうなっていうのは想像がついていたけれど。





学校を取り巻くほどの人気とは思わなかった。








「ねぇ千哉」



「……なんだよ」



「いつもこんななの?」



「こんなって?」





お出迎えのことだよ……、この花道。



私が居ようと居なかろうといつも花道なの?



それはそれで本当に雷神連合並みだ。






「あー、うん、まぁでも今日は確かに人が多い気がするな……」








もやっと、わたしのなかで不安がひろがる。




彼らは、雷神連合の仲間ではないのだろうか?





仲間だったら仲間で、ここに私を匿うのは確実に翔平さんに逆らうことになるし、


敵だったら敵だったらで、私は翔平さんの妹だから、ここにはいられない。








「はぁ……」








八方塞がりなことに、

本当は少し前から気づいてたんだ。





それでも離れなかったのは、


ここしか居場所がないだと思ったからだし、




ここが私の居場所になるんじゃないかって、期待をしているからだ。