「えっと……なんで松葉杖取るの?」
「あ? ここの学校にエレベーターはないからだよ」
そっかそっか、3階だし、階段上るもんね。
片足でピョンピョン階段を上ろうと、手すりに手をかけたけど、千哉に速攻に止められた。
そして千哉はそのまま私の前にしゃがみこんだ。
「乗れよ」
「え……!?」
気づいたら私の松葉杖は、伊織さんの手に渡っていて、私のバッグは真白くんの手に渡っていた。
「ほら、はやく。
今ホームルーム中だから。
間に合うように行かねぇと、自己紹介とかできねぇだろ」
ええええ、それって、千哉におぶられるってことだよね?
いや、千哉におぶられるのは初めてじゃないけど、制服のスカートってほら、短いし……
おんぶ+階段は確実にパンチラコース。
「おいはやくしろよ」
「あ、ごめん」
……なんて、どうせスパッツはいてるし、私の下着が見えることはないからいいや。
見えても誰得だよっていう。
「ありがとう千哉」
私はそう言って何回目かの、彼の背中に乗った。