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「わー……」




来るの2回目なのに、また声が漏れてしまった。








そう、私は無事特待生扱いを受けることのできる点数をとり、千哉たちの通う学校。




白藤(しろふじ)高校へ通うことが許されたのだ。









「……紬、お前、本当に大丈夫?」






まだ松葉杖を使っているから、千哉は私のバッグを持ってくれている。







「通うって決めたのはなんだかんだ私だし、大丈夫。ありがとう、千哉。」






……大丈夫? とは、

ヤンキーが多いからとか、
この汚い校舎のこととか、


たぶん他にも色々あって、

それ全部あわせての、大丈夫? なんだと思う。






汚いっていうか、落書きがっていうか。




夜露死苦! なんていつ書かれたのコレ。








「お前の教室、三階だってさ」





「あ、そっか」





千哉とか学年違うんだった。




なんかうっかり忘れそうになる。






「真白と同じクラスだから。

クラスでなにか困ったことあったら、真白に言えよ」





「う、うん……」







そう喋りながら、校舎に入ると、下駄箱のところには真白くんと伊織さんの姿が。








「おはよう紬」



相変わらずキレイな顔と声で真白くんが言う。





「紬ちゃんおはよう」





わー、王子様スマイルの伊織さんだ……






「猫かぶり……」




「え、なんか言った? 紬ちゃん。」






あっと思わず心の声が……ってやつ。









「あ? どうしたんだよ伊織と紬。

ま、いっか。ほら、お前の教室いくぞ」







そう言いながら千哉は私の松葉杖を取った。