最近は痛みが麻痺してるのかもしれないな…と自己完結した。





足の骨折もそうだけど、顔とか腕についてるでっかい痣も、千哉は全て見えてるはずなのに。


なにも聞いてこなくて。





「……服貸してやるから、はやく着替えてこい。
さすがにその格好では行けないから。」




そう言われて、自分の姿を見下ろすと、



「ひぇっ」




と情けない声が出た。





お気に入りのピンクのシフォンスカートは、赤い模様がたくさんできていた。








「気持ち悪がるなよ、それお前の血だから」




尚更気持ち悪くなってきた…


いや、他人の血ってのも嫌だけどさ。






お気に入りだったのになぁ、としょげていると千哉はベッド横のタンスをゴソゴソと漁って適当な服を私に投げてきた。






「文句いうなよ、俺のしかねぇから」




そう言われてその服をチラリと見るとパーカーとジーンズ。





あ、うん。普通である。







「……」




「………? 早く着替えろよ」




「え、千哉ここにいんの?」




「大丈夫、困ってない」




「何によ……」






困ってない、だなんて。


やっぱりモテるんだなぁ、としみじみ。







「じゃ、向こう向いててね」





その言葉を合図に千哉がグルンと背を向けたのを確認して私はさっさと着替えた。