「そういうとこが、思考ズレてんの」
そう言う千哉に、私はゲッと言葉をもらした。
確かにかっこいいけどそれとこれとは別だと思うし、その考えについて私は常識的だと思う。
そう思ったとき、
「……なーんてな」
という彼の声と共に、左足の足首が、
「いっつ……たぁ」
クイッと少し動かされた。
「ほらみろ、痛いだろ」
「え?え?」
どういうことかわからずに混乱する私に、千哉はベッドの脇にある戸棚に手を伸ばすと、湿布やら包帯やら木の板やらを色々取り出した。
「……お前これ、多分折れてるぞ」
「……え」
「ていうか、嫌な予感する。
……折れてるというか、骨粉砕してそう」
「ふ、ふんさ……!?」
「……真面目に。
早く病院行くぞ。……後遺症が残ることもあるっていうし、固定だけするから」
「う、うん?え、あ、はい」
てきぱきとこなす千哉に、私は呆然としていた。
「……そこが、普通の思考じゃない」
「え……?」
「こんな重症、そんな顔でいられるわけねぇんだよ」
そう、千哉の言葉に衝撃を受けた。