そんな私を見透かしてか、千哉はふぅんというと、まぁあれだな、と前置きをおいて、
「友だちいねぇから下の名前呼びに憧れでもあるんだな?」
なんて、デリカシーのない言葉をいってきたけど、
「大正解過ぎて寒気がする」
と言った私に硬直した。
「俺今冗談だったんだが……」
「待って憐れまないで、悲しくなる」
「……ドンマイだな」
「憐れまないでっていったよね……?」
肩をポンポンとしてきた千哉にそう言うと、彼は顔をくしゃっとして笑った。
笑顔が、とても素敵だな。
彼の笑顔は、素直な笑顔な気がする。
私を蔑むような笑顔、見下した笑顔、あの冷めた笑顔とは真逆の、ポカポカする笑顔。
「……、千哉の周りには男友達が多そうだね」
そうポツリというと、千哉は気になったみたいで首をかしげてくる。
「……いや、なんとなく。
女子ウケするかって言われたら……うーん、
私だったらしないかも?」
「よーするにモテなそうってわけか?」
「うーん、なんか、そうじゃなくて……。
千哉の隣にいると自信なくなりそうだから、ていうのと……
……恨みそう?」
「意味わからん」
私だったら絶対隣に並べない。
だってこんなに綺麗な顔してんだよ?
なんの間違いがあって私と彼は同じ世界に生きてるんだ、て思うでしょう……?