「お前いっぺん落ち着け。」
おでこをペチンッとされて、私の頭はようやく混乱から脱出した。
「ちゃんと説明してやるから、」
そう言って頭を撫で撫で、ではなく、グリグリとされるけど、それが妙に心地よくて、その手にすり寄った。
すると、彼は目を見開いて、
「お前、犬じゃなくて猫だったか……」
と呟き、私の頭にチョップをいれた。
「……なに、するんですか」
「犬か猫かわからなかったからとりあえずチョップをしてみた」
よくわからなすぎる。
まぁ痛くないからいいけど。
彼はよっこいせ、と言いながらベッドから這い出ると、傍にあった椅子をよせ、ベッドに向かい合った。
そして、ベッドの淵を、
パンパンッと、こっちへこい、というように叩くので、私は四つん這いでそちらへ向かった。
そして、ベッドの淵に腰かけて彼と向き合った。
あれ、よく見ると……、かなり整ってる。
かなり、というかもしかしたら翔平さん以上かもしれない。
染めたような黒髪に、色っぽい涙ぼくろ。
パッチリ二重でまつげも長いし、女子に恨まれたりとかしそうである。
「……はじめまして、俺は逢坂千哉。
……お前を、拾いましたぁ」
………………
「は?」
思わずそんな声が出た。
拾った……とは?