これはやばい、と思った瞬間、
「う……っ」
ドンッと身体が浮いた。
床に叩きつけられた私の身体は、
「……ぅ、ゲホッゲホッ」
そろそろ限界だった。
「なーんか、オンナってあまり吹っ飛ばねぇよなァ……、蹴りがいがなくてつまんねぇよ」
翔平さんはニタニタとそんな私を見て笑っている。
こんな奴が、この世界にいていいのだろうか。
雷神連合というのは、こんなにも恐ろしいものだったのかと今さら気づいた。
逃げなきゃ、逃げなきゃ。
一刻と早く、この家から出て逃げなきゃ。
このままじゃ、殺されてしまう。
そんな考えが頭をよぎった。
動かない身体を必死に起こして、今にも途切れそうな意識を無理矢理覚醒させて立ち上がろうとする。
「うーわ、紬、お前まだ動けんだ?すげぇじゃーん。」
翔平さんは、私との距離を再びつめると、私の目を見てなにか思い付いたように目を細めた。
「ちょっと俺飽きたから、やっぱさっき言ったことしよっか?」
さっき……言ったこと?
これはやばい、嫌な予感しかしない。
翔平さんがさっき言ったこと、
その言葉は、私の警報を鳴らした。
そして私の嫌な予感は、裏切ることなく、彼の口から答えは滑り出た。