「……ゲホッ」
人の身体ってこんだけ殴られても原型保ってられるのが不思議だ。
意識が飛びそうなほど、痛い。
翔平さんは今まで叩いてきたり蹴ってきたりはあったけど、それが軽くだったことを今知る。
こんなに、重たく本気で暴力をふられるのは初めてだ。
「ソートー痛いみたいだなァ?はははっ」
そう不気味に笑って、私の足をグリグリと踏みつけた。
「……っ!!!!」
あらぬ方向に曲がる私の左足は、嫌な音をたてている。
痛いし、なんでこんなに暴力を受けているのかわからない。
なんで?
私、なにかした?
「ははっ、なんでって顔してるな~?」
わかってるなら、それを言えばいいのに。
なんて、口が割けても言えるはずないけれど。
「まァ、わかんなくていいよ?
あ、わかるほうがいい?じゃあアイツにお前代わりにボコってもらおうかなァ?」
「え……?」
どういう、こと?
やっとうっすらと開く目でようやく見えたのは、不敵に微笑む翔平さんと、
「しゅ、修太くん……」
その後ろで気まずそうに立つ、修太くんだった。