「慎と俺って運命っぽいよね」

そう言って俺の前の席に座った奏は、振り替えってにっこりと微笑んだ。

…そう。嫌で嫌で仕方ないんだけど、こいつとは中学1年で同じクラスになってから高1の今までずっと違うクラスになったことがない。

神崎と佐伯。

つまりこいつとも毎年席が前後になるのだ。

しかもこの高校は原則3年間を通してクラス替えが行われないらしい。

それを知った時は何かの呪いでもかけられてんのかと真剣に考えたこともあった。

でも逆に言えば、3年間めぐとも同じクラスって事で。

そう考えると俺の頬は勝手に緩んでしまう。

「慎ってほんと素直で表情ころころ変わるからからかいがいあるよね笑」

俺で遊ぶんじゃねぇ!!

けらけらと笑う奏を睨みつけていると、隣からきゅっと袖をひかれた。

「ん?どした?」

めぐは葛城との話を終え、やっと俺と奏に気付いたようだ。

俺の袖を掴んだままのめぐが、何かいいたげに俺を見ている。

…俺とめぐの身長差で無自覚であろう上目遣いになっているのが、正直萌える。

「慎ちゃんっあのねっ!

HRで修学旅行の班決めがあるみたい!一緒にいこうね!!」

もちろん!!!!!!!

俺はきっと緩みまくっているであろう口元を抑えながら小さく頷いた。