「女々しい」

「っ!」

背中に鈍い痛みがはしる。

「あ、やっと上向いた」

ふっと口端をあげて微笑む奏。

奏が俯いてうじうじしている俺の背中を叩いてくれたんだ。

「ま、俺は慎じゃないから結局第三者としての意見しかいえねぇけど。慎はさ」

「…ん」

「考えるより行動に出るタイプだと思うんだよな〜なんつーの?打算とか計算とかなく。だから、お前がその時だって気づいた時、多分慎はめぐちゃんに言うよ〝ちゃんとした告白〟」

それは、俺とめぐの関係を変えるための告白を差しているんだと思った。

今みたいな変わりたい、でも変わるのが怖いって。

ぐらぐら曖昧な気持ちの告白じゃなく。

〝幼なじみ〟から変わるための告白。

「…ありがとな」

「ん!おこちゃまな慎には難しかったかな〜?」

へらりと笑う奏。こいつがモテるのも分かる気がする。

「そんな見つめられると照れる〜慎ったら俺に惚れちゃった?」

「きゃーっ」と裏声を出して体をくねらせる奏。

「でもだめだよ俺には麻衣ちゃんと寧々ちゃんも皐月ちゃんも美結ちゃんもいるから」

「この前七海と梨花もいなかったっけ」

「私のこと好き?っていわれたから女の子は皆好きだよって言ったら振られた( 'ω' )」

「ばーか」

…チャラいけど。