ある日届いた一通の手紙。右肩上がりの達筆な文字で「友達になってくれないかな」と一言。靴箱ポストが繋ぐ手紙は、いつしか互いに心の支えになっていた。 "どうかこれが、君の背中を押すものになりますように。"綴られた言葉はあまりも真っ直ぐでそれがたまに苦しい。けれど手紙の向こうにいる存在と便箋に添えられたほんの少しの勇気が、前を向いて走るための力をくれた。痛みを知って強くなれた。強くなれたから優しくできた。彼らが走った朝焼けのグランドは命の輝きそのものだった。切なくて苦しくて、なんて美しいんだろう。風になった彼らの涙が痛いほどに眩しかった。