私には理解できないような問題がずらりと並んだプリントを差し出すと、ようやく思い至ったのか謝辞と共に私の手から受け取った真田。


「なんで登坂が?」

「昨日、渡しそびれたんだってさ。今日と明日休むから代わりに渡しといてくれーって頼まれた」

「そっか。サンキュね」


プリントをパラパラとめくる真田は、私の知ってるいつもの真田だ。


「そういえば昨日の授業で言ってたね、次の授業は自習って。休みだからだったんだ」

「え、嘘!? 言ってたっけ?」

「言ってたよ。あんたは寝てたけど」


あっちゃー、そうだったのか。

大嫌いな数学、どう頑張っても寝ちゃうんだよなぁ。


寝てしまった自分を誤魔化すように笑ってみせると、呆れたような視線が返ってきた。

スミマセン、真面目に受けてなくて。