食べたらまた、リョータに感想を押し付けるんだ。

絶対食べるから、絶対聞いてね。

例えばその時、私達ふたりを繋ぐ手段が手紙ではなくなっていたとしても。




「お、登坂。いいところに」


部活終わり、靴を履き替えようと昇降口に向かっていた時、前方からやってきたサトタツに声を掛けられた。

帰宅するところなのか、サトタツの手にはネイビーのビジネスバッグ。


「いいところにって……嫌な予感しかしないんですけど」

「ははっ、よくわかってんじゃん。ちょっとパシられてくれねーか」


意味がわからず首を傾げると、サトタツは何やら鞄の中からプリントの束を取り出した。

何、コレ。


「真田に頼まれてたんだ、数Ⅲの問題くれって」

「す、数Ⅲ……!?」