「まぁ、そうなんだけどさー」


もう。バレバレですよ、康介さん。


「怒られても知んないからね」

「大丈夫ダイジョーブ。南山にはもう呆れられてるから」


自信満々に言うとこじゃないよ、そこ。

私としては沈みかけた気持ちが戻ったから、ありがたかったけどさ。


「週末試合でしょ? いいの? そんなテキトーしてて」

「お前、心配しすぎ。俺を誰だと思ってんの」

「中間テスト7欠の長谷康介くん」

「言うなよそれを……」


がっくりと肩を落とした康介に、私はケラケラと笑う。

こういう、遠慮ない関係って心地いい。

私も康介も、お互い知らないことなんてないんじゃないかなぁ。


「……あ」


思わず声を上げた私を、康介は怪訝そうな目で見る。


康介なら、あの手紙の差出人がわかるかもしれない。

だって、ずっと一緒にいたんだもん。

私が“リョータ”のことを忘れているだけで、本当は繋がりがあるのかもしれない。


そう思って、康介に尋ねようとした時。