「久しぶりだね、康介」

「…………」


返事はない。

でも、寝てるわけじゃないってわかってる。

絶対に右肩を下にして寝ないって知ってるもん。


「いつまでそうしてるつもりなの? 他の子達、みんな心配してるよ」

「…………」

「こっち見るくらいしなよ。いつもうざいくらい絡んでくるくせに、都合の悪い時だけ知らんぷりはずるいんじゃない?」


ねぇ康介。

目を背けるのはやめにしようよ。

私も、ちゃんと向き合うからさ。


「……何日も学校休むとか、あんたそんなひ弱だったっけ?」

「…………」

「カッコ悪いよ、怪我くらいで」


一か八かの大勝負。

腹を括って投げ掛けた一言に、康介の体が強張ったのが見てとれた。


「意味わかんないほど自信家で、大とか超が付くほどのサッカーバカだと思ってたのに。そういうあんた、ちょっとだけカッコよかったのに」