沢山の想いと共に届けられたその手紙を、ぎゅっと胸元に寄せる。

そうしないと、こぼれてしまいそうだったから。

溢れる愛しさも苦しさも想いも全部、こぼれ出してしまいそうだったから……。




リョータのお母さんにお礼を言って、病院を後にしようとエレベーターの前まで来た時、通路の反対側にテラスがあることに気付いた。

大きなガラス戸を覗き込むと、そこには、いつかリョータがくれた反転した青空の写真と同じ景色が広がっていた。