康介とは会えば挨拶を交わす程度で、必要以上の会話は生まれない。

そんな康介が、どうしてここに……?


「お疲れ」


私の動揺をよそに、彼の口調は変わらなかった。


「お、お疲れ。何してんの、こんなとこで……」

「お前待ってたんだよ」

「へっ!?」


まさかの返答に、ますます狼狽えてしまう。

私達の様子を見ていたトモちゃんが、何かピンときた様子でこちらに向き直る。


「じゃあ私、ここで失礼しますね! お疲れ様でした!」

「え、ちょ……トモちゃん!?」


トモちゃんは光の如きスピードで立ち去ってしまい、呼び止めようとしたけれど叶わなかった。

その場に残された私達2人の間に、何とも言えない空気が流れる。

気まずいわけじゃないけど……何を話したらいいのか全然わかんない……!