「…………」
普段滅多に朝寝坊なんてしないし、仮にしたとしても間違いなく飛び起きてるだろう。
だけど今日の私はその気力も起きず、高校に入って初めて、今まで一度も欠かしたことのなかった朝練を行わなかった。
出勤前のお母さんに半ば追い出される形でマンションを出て、学校の門をくぐったのは一般生徒と同じ時間帯だった。
途中、何人かの友達に声を掛けられたけど、適当な受け答えだけをしてかわした。
くだらない話に花を咲かせる人達でガヤガヤと賑わう昇降口に、ひとり沈んだ気分の私。
「……帰りたい」
ぽつりと呟きながら靴箱を開けると、
「……あ」
上靴の上に、白い封筒。
数回瞬きをし、幻じゃないことを確認してからそれを手に取る。
封筒の表面には、相変わらず綺麗な字で私の名前が記されていた。
手紙を手に私が向かったのは、通い慣れた教室ではなく、人気のない階段の踊り場。
壁に凭れるようにしゃがみ込み、封を開けると、やはり“彼”からの言葉が目に飛び込んできた。
普段滅多に朝寝坊なんてしないし、仮にしたとしても間違いなく飛び起きてるだろう。
だけど今日の私はその気力も起きず、高校に入って初めて、今まで一度も欠かしたことのなかった朝練を行わなかった。
出勤前のお母さんに半ば追い出される形でマンションを出て、学校の門をくぐったのは一般生徒と同じ時間帯だった。
途中、何人かの友達に声を掛けられたけど、適当な受け答えだけをしてかわした。
くだらない話に花を咲かせる人達でガヤガヤと賑わう昇降口に、ひとり沈んだ気分の私。
「……帰りたい」
ぽつりと呟きながら靴箱を開けると、
「……あ」
上靴の上に、白い封筒。
数回瞬きをし、幻じゃないことを確認してからそれを手に取る。
封筒の表面には、相変わらず綺麗な字で私の名前が記されていた。
手紙を手に私が向かったのは、通い慣れた教室ではなく、人気のない階段の踊り場。
壁に凭れるようにしゃがみ込み、封を開けると、やはり“彼”からの言葉が目に飛び込んできた。