「ですね! 私も久しぶりにタイム測りたいです」
言いつつ、エアストップウォッチを手に意気込むトモちゃん。
「もうすぐ地方大会始まっちゃいますし、あっという間ですねぇ」
「ほんとにね。もう少ししたら引退だなんて考えられないよ」
「千鶴先輩がいなくなるの嫌ですー! あともう一年いてくださいよー」
「無茶言わないでよ」
そう言ってくれるのは嬉しいけどね、と心の中で付け足して視線をトモちゃんから前方に移す、と。
「……あ」
昇降口、ポケットに手を突っ込んで靴箱に凭れている、見知った人物の姿を捉える。
「あ、長谷先輩」
彼の名を呼んだのは隣のトモちゃんで、その声が届いたのか康介は床に落としていた視線をこちらに向けた。
バチっと視線が絡んで、ちょっとだけドキッとする。
言いつつ、エアストップウォッチを手に意気込むトモちゃん。
「もうすぐ地方大会始まっちゃいますし、あっという間ですねぇ」
「ほんとにね。もう少ししたら引退だなんて考えられないよ」
「千鶴先輩がいなくなるの嫌ですー! あともう一年いてくださいよー」
「無茶言わないでよ」
そう言ってくれるのは嬉しいけどね、と心の中で付け足して視線をトモちゃんから前方に移す、と。
「……あ」
昇降口、ポケットに手を突っ込んで靴箱に凭れている、見知った人物の姿を捉える。
「あ、長谷先輩」
彼の名を呼んだのは隣のトモちゃんで、その声が届いたのか康介は床に落としていた視線をこちらに向けた。
バチっと視線が絡んで、ちょっとだけドキッとする。