サトタツは結婚した。真田は理系に変更して、既に目標を定めて頑張っている。

康介は前みたいに私の傍にはいないし、美羽は陸上を辞めちゃうし。

それから……リョータからの返事は来ないし。


「そりゃ変わっていくでしょうよ。生きて人間生活してんだから、私達」


容赦なく、いっそ清々しいくらいに切り捨てられて私は言葉を失った。

うへぇ、と顔を顰めた私に、真田が喉を鳴らす。


「“今のまま”はあり得ない。見えないところでも、色んなことが永続的に変わっていってるんだよ」

「……それは、そうかもしれないけどさぁ」

「私から言わせてみればあんたも相当変わったと思うけどねー」


え?

話の矛先が自分に向けられて、目を丸くする。

変わったって、私が……?


「私の知ってる登坂は勉強なんて嫌いで、陸上しか頭にないおバカさんで」

「え、さすがに貶し過ぎじゃない?」

「人一倍努力家で陸上が好きなくせにずっと燻ってて」


真田……?