「どうしたのよ、急に難しい言葉なんか使っちゃって」


うっわ白々しい!

これは心配してると見せかけてバカにしてるな!?

内心で狂犬のように噛み付いたのが伝わったのか、真田から「ゴメンて」と小さく詫びを入れられた。

それで何とか折り合いをつけて、唇を突き出しつつも口を開く。


「なんか……時間はずっと流れてるんだなーって」

「……ほんとどうしたの、あんた」

「深刻な顔されるのもなんか微妙な気持ちになるね」

「ちょっと。めんどくさい女発動しないで」


ゴメンナサイ、と今度は私が謝る羽目になった。

気を取り直して、今度は体も起こす。相変わらず降り止まない雨を視界の端に映して、口を開いた。


「私は立ち止まったままなのに……何一つ変わってないのに、周りはどんどん変わってくんだもん」