──ピッ!
甲高い音が今日もグランドに響いている。
神経を研ぎ澄ませて、走ることだけに集中する。ストップウォッチを手にしたトモちゃんのいるところまで全力で駆け抜ける。
「12.14です!」
走り終え肩で息をする私に、トモちゃんが鼻息を荒くして教えてくれた。
びっくりして目を丸くする私に、近くにいた美羽が近付いてくる。
「すごいじゃん、千鶴! どんどんタイム縮まってる!」
「ほんとですよぉ! 最近の千鶴先輩、なんだか陸上への熱が違うっていうか……。すごく集中してるんだなーって思います!」
美羽に同調するトモちゃんの言葉に照れながらも、曖昧に笑い返すことしか出来ない。
集中してるのはほんと。いいことだと自分でも思うし、それは結果にも現れている。
でも実際は、陸上に集中して考えないようにしているだけだ。
甲高い音が今日もグランドに響いている。
神経を研ぎ澄ませて、走ることだけに集中する。ストップウォッチを手にしたトモちゃんのいるところまで全力で駆け抜ける。
「12.14です!」
走り終え肩で息をする私に、トモちゃんが鼻息を荒くして教えてくれた。
びっくりして目を丸くする私に、近くにいた美羽が近付いてくる。
「すごいじゃん、千鶴! どんどんタイム縮まってる!」
「ほんとですよぉ! 最近の千鶴先輩、なんだか陸上への熱が違うっていうか……。すごく集中してるんだなーって思います!」
美羽に同調するトモちゃんの言葉に照れながらも、曖昧に笑い返すことしか出来ない。
集中してるのはほんと。いいことだと自分でも思うし、それは結果にも現れている。
でも実際は、陸上に集中して考えないようにしているだけだ。