「ごめん……ごめんね、康介……っ」
お菓子を強請る子どもみたいに泣き噦る私を、ふわりと大きな温もりが包み込む。
街灯に照らされ地面に伸びる影が重なって、いつかと同じ私の大好きな温かさが「バカだなぁ」と困ったように笑った。
「謝る必要なんかねーよ。あの手紙を見た時から、何となくわかってた。お前が……“リョータ”ってやつのことを好きだって」
「……っ」
私が気付くよりも先に、康介は私の恋心を見抜いてたんだ……。
「お前、聞いたよな。好きってなんなんだって」
いつだったか、そんな話をした。
好きという感情の線引きはどこ? そんな問いを投げた私を、康介は一蹴したっけ。
「俺だって未だにわかんねーよ、そんなの。……でも、気付いたら好きになってたんだ。夢に向かってまっすぐで、俺なんか眼中になくて、ただがむしゃらに走ってて。そういうとこ全部、どうしようもないくらい……好きだった」
低音で優しく紡がれる思いの丈に、涙が次々と溢れて康介のシャツを濡らしていく。
お菓子を強請る子どもみたいに泣き噦る私を、ふわりと大きな温もりが包み込む。
街灯に照らされ地面に伸びる影が重なって、いつかと同じ私の大好きな温かさが「バカだなぁ」と困ったように笑った。
「謝る必要なんかねーよ。あの手紙を見た時から、何となくわかってた。お前が……“リョータ”ってやつのことを好きだって」
「……っ」
私が気付くよりも先に、康介は私の恋心を見抜いてたんだ……。
「お前、聞いたよな。好きってなんなんだって」
いつだったか、そんな話をした。
好きという感情の線引きはどこ? そんな問いを投げた私を、康介は一蹴したっけ。
「俺だって未だにわかんねーよ、そんなの。……でも、気付いたら好きになってたんだ。夢に向かってまっすぐで、俺なんか眼中になくて、ただがむしゃらに走ってて。そういうとこ全部、どうしようもないくらい……好きだった」
低音で優しく紡がれる思いの丈に、涙が次々と溢れて康介のシャツを濡らしていく。