短い相槌はまるで、大丈夫だと言われているような気がした。

背中を押されて、ゆっくりと言葉を選ぶ。


「私……康介のことはずっと、大切な幼なじみだって思ってて。自分達の在り方とかこれからについてなんて、一度も考えたこともなくて」

「うん」

「だから正直、康介があんなに怒った理由も最後の言葉を聞くまでわかんなくて……」

「…………」

「康介は私のこと、好きでいてくれたんだよね……?」


自惚れだったらごめん、と付け足した私に、康介が首を振った。


「自惚れなんかじゃねーよ。俺はずっと、お前のことが好きだった」


康介らしい真っ直ぐな告白が、私の心に突き刺さる。


「私、全然気付かなくて……ごめん、多分私は、知らないところで康介のことを何度も傷つけてきた」


何度とかいくつとか、考えたところでわかるはずもない。それは康介にしか知り得ない。

でも一度は確実に、このかけがえのない幼なじみを深く深く傷つけてしまったんだ。


「あれから、康介のこと、沢山考えた。それこそ頭のてっぺんから、足先まで。私の世界を、康介で埋めてみようって思ったの」

「……うん」