ネットで注文した商品を今か今かと待ち侘びる、そんな状態によく似ているんじゃないかと思う。

もちろん、届くのは商品でなく手紙なので、中身がわからない分楽しみは倍以上だ。


胸を躍らせながら靴箱を開けて、中が代わり映えしないと落ち込んだ。

それを何度か繰り返した週末の放課後、ようやくローファーの上に白い封筒の姿を認めた。


「……っ!」


胸が高鳴るのを感じながら、周りを気にしつつそれを手に取る。

練習が始まるまでまだ時間がある。今、どこかで読んでから向かっても十分間に合うだろう。

でもそれは、真田の言う“一歩引いて”を守らないことに……なる?


「…………」


いいや、読んでしまおう。

心酔してるわけじゃない。依存なんてしてない。

私は単に、リョータの返事の内容を知りたい。ただそれだけなんだ。


どこかの誰かに言い訳して、私は手紙を手にその場を離れた。




人気のないところ、と選んだのはやはり真田と話した外階段だ。

移動教室の時なんかに使われるくらいで、こういった放課後や休み時間に人が来ないことについては折り紙つきの場所。