「何それ! 変なプレッシャーかけないでよー!」


今の私を絵文字で表現するとしたら、眉を下げて泣き笑いしてるやつだ。私、よく使う。

まさにあの絵文字のような情けない顔で真田に詰め寄る。

そんな私を避け、真田はケラケラと笑った。


「ごめんごめん。でも、あんたなら大丈夫だよ。予選、1位で通過したんでしょ?」


なんで?

なんで真田が、一昨日の大会の結果を知ってるの?

私、これから言おうと思ってたのに……。


「なんで知ってんの、って顔してる」


ズバリ言い当てられ、出かかっていた言葉は喉の奥に引っこんだ。


「1、宇宙人が交信してきて私に教えた」


指折り数え、大真面目な顔で真田がそんなことを言い始めた。

思わず何言ってんの、と突っ込んだけど、彼女は取り合わない。


「2。実は私と登坂母は大親友で、土曜の夜に電話で教えてくれた」


ないない。お母さんが真田の連絡先を知ってるはずないし。

と内心で冷静に突っ込みつつ、やめるつもりがないようなので黙って聞く。