朝イチのニュース番組の天気予報では、残念ながら今日は曇りだと言っていた。降水確率は20パーセントだけど、ずっとどんよりとした空模様だと。

少し前までの私なら、それだけで気分が沈んでしまっていたかもしれない。

だけど、今の私は違う。雲をも吹き飛ばすくらい力強いパフォーマンスを、って思えてる。


一歩引いても、きっと揺るがない。

そう思わせてくれたのは、他でもない彼だ。




集合場所である会場には、既に何人かの部員の姿があった。

みんなで揃えている紺色のジャージを身に纏った集団に近付き、声をかける。


「おはよ」

「あっ、千鶴先輩! おはようございます!」


先に来ていた後輩達が一斉に振り向き、応えてくれる。
 
先月入部したばかりの1年生の瑞々しさに、心が洗われるようだ。

……なんて、こんなこと言ってたら、またオバサンって言われるんだろうなぁ。


「見て、成城だよ」


どこからかうちの学校名が聞こえてきて、声のしたほうをちらりと見やる。