「……康介は私のこと、いつから好きでいてくれたと思う?」

「さぁ。そういうのは本人に聞くことよ」


弱々しく吐いた問いを、真田はド正論で一蹴する。

蹴散らされた私は、きゅっと肩を竦めた。


「話を聞いてて疑問だったんだけど……登坂はその“リョータ”って子のこと、どう思ってんの?」

「どうって……」


大切な友達。でも、真田が聞いているのはそういうことではないはず。

けして多くない脳みそで、彼女が求めているだけの答えを懸命に探し出す。


「繋がりが途絶えてしまうのが……怖い」


布団の上で作った握り拳を、反対の手で包み込む。

遠くで聞こえる雨音が、少し強さを増した気がした。


「私が悩んでいると、気付いてくれるの。話したこともないはずなのに、不思議でしょ」

「状況的に言うとストーカーでもおかしくないような存在だけど……あんたはそうは思ってないのね」

「思わないよ。こんなに私のことを考えて言葉を紡いでくれる人を、ストーカーだなんて思ったことない」