康介が学校を休むようになって、今日でちょうど1週間。


「長谷、まだ来てない?」

「……うん」


机で突っ伏していた私の頭上から聞こえた、南山の声。

顔を上げると、彼は眉間にシワを寄せていた。


「今日だっけ? 抜糸」

「そう、だったと思う。その間にも何回か病院には行ってるはずだけど……会ってないからわかんないや」


朝練があるから登校は元々別だし、初めは特に気に留めなかった。

だけど2日経っても3日経っても康介の姿を確認することは出来なくて。意を決して家を訪れてみたものの、彼に会うことは叶わなかった。


……ううん、違う。本当は、会おうと思えば会えるんだ。

康介ママにお願いして中に入れてもらって、入るなって拒まれても怒鳴られても、それでも部屋に入れば、康介に会うことはできる。

それなのに顔を合わせずにいるのは、私が逃げているからだ。