これからのお昼休みを真田と過ごせるかどうかは、今日の放課後に懸かっている。


長々と行われた終礼が終わり、クラスメート達の波に乗って教室を出た。

約束の場所に向かう前に、先に美羽の教室に寄る。彼女は、教室の後ろにあるロッカーに教科書をしまっているところだった。

少し遅れて練習に行くことを伝えると、美羽は何かを聞くことも言うこともなく、ただ静かに頷いてくれた。大切な用があるんだって、察してくれたのかもしれない。




真田が指定したその場所に、彼女の姿はまだなかった。

何となくそんな気がしていたので、特に気に留めることもなく、エナメルバッグを下ろして階段の二段目に腰掛ける。

連日続く寒波の影響で気温は随分低いものの、大して気にならなかった。

長居すると手くらいは悴んでしまうんだろうけど、私の体温はきっとこれから上がっていくから、ちょうどいいんだ。首に巻いたマフラーは、さすがに外せないけど。


膝に頬杖をついて瞼を下ろしているうちに、背後に人の気配がした。