きっと、言っちゃいけないって我慢して我慢して、我慢した上で言ったんだよね。

だったら、登坂さんの選択は間違ってない。

起こってしまったことは消せないんだから、登坂さんの手で“間違ってないこと”にするしかないと思う。


こうやって俺を頼ってくれるくらい、その友達のことが大切なんだよね。

だったら、話しかける勇気が持てなくても、それでも勇気を出してほしい。

勇気は一瞬、後悔は一生って言うように、今一歩を踏み出さないと絶対に後悔すると思うよ。


俺もね、登坂さんに初めて手紙を書いた時、すごく勇気を出したんだ。

有りっ丈の勇気を振り絞って、手紙を託した。後で後悔する方が、ずっと嫌だと思ったから。

続けて何通か書いて、登坂さんから返事が来た時はすごく嬉しかった。

悩んでいる登坂さんにこんな言い方するのはどうかと思うけど、こんな風に胸の内を明かしてくれることも、俺にとっては喜ばしいことなんだよ。


だから、情けないとかみっともないとか、そんな風に思わないでほしい。