「……………」


不安がないわけじゃない。

どこの誰かもわからない相手に、軽々と相談していい内容でもない。

でも、私はもう知っている。


リョータは信用するに値する人だってこと。

私が真剣に相談したら、同じ熱量で応えてくれる人だってこと。





帰宅して、いつもは真っ先にリビングでご飯を食べるところを、今日は自分の部屋に向かった。

靴箱に届いた手紙と同じ引き出しに入れてあるレターセットを取り出して、ノック式のボールペンのお尻を叩く。




【リョータへ


遅くなっちゃってごめん。
色々悩んでいるうちに、時間が経ってしまっていました。


自分では解決の糸口を見つけられないから、どうか聞いてくれませんか。


簡単に言うと、友達と喧嘩しちゃったの。

友達にとって、きっととってもつらいことがあって、だけどその子はそれを言わなかったから、私も確証は持てなかったんだ。

でも普段の様子がいつものその子らしくなくて、私も我慢できなくなって「いつものあなたらしくない」「そんな風になるくらいなら、砕けるかもしれないけど当たってしまえばいい」って言っちゃって。