私に真田の気持ちはわからない。

康介のときみたく、体当たりでぶつかることが正しいとは思えない。

だから下手なことは言わないでおこうって決めたんだ。でも。


「こんな真田、見てられない。真田が真田じゃなくなるくらいなら、思い切って言えばいいじゃん! 好きなんでしょ、サトタ──」

「やめてッ!」


サトタツのことが。そう言い終わる前に、悲鳴にも似た真田の怒鳴り声が辺り一帯に響き渡った。

ハッとして真田を見下ろすと、真田がものすごい形相で私を睨んでいる。


「やめてよ、こんなとこで。何なの? 私、そんなこと一言も言ってないじゃん!」

「い、言ってないけど……!」

「だったら、憶測で勝手なこと言わないでよ!」