「ここに来たのかっ?!」

「ああ。今日来たぞ。」

「ねぇ、桐十。蓮ちゃんは別にアンタの嫁にならなくても、私の娘って思いは変わらないから、別にもういいわよ。アンタが傷つけるような半端なマネするくらいなら、アンタの嫁にはしない。蓮ちゃんをもっと大切にしてくれる人は、いくらでもいるわ。」

「なっ、オレ以上に蓮を好きなヤツはいない!大事にしたくて、今回はやり方間違えたけど、これから先も間違えるかもしれないけどっ!それでも、オレは蓮だけしか好きになれないし、一緒にいたいとも思えない!一生…生まれてから死ぬまで蓮だけだ。」

…嬉しいけど。

親にプロポーズしたみたいになってない?

桐の正直な気持ちがきちんと確認できて、嬉しくてしょうがないんだけど。

ちょびっとフクザツだわ…。

「…って、言ってるけど~?蓮ちゃん、どうする?親にプロポーズしたみたいになってるあほだけど、貰ってくれる?」

完璧面白がってる桐ママの声。

わざと桐の本音を私に聞かせてくれたのかな。

きっとそう。

「蓮っ?!」

襖を開けて出ていくと。

安堵した桐の顔が見えた。

ぎゅっと抱きしめられて。

『2回目とはいえ、親にプロポーズしないでよ。桐のばか。』

「そうだな。蓮の言うばかって可愛いな。もう一回言ってみて。」

破顔した桐の顔を見てたら。

全てふっとんで、ただただ好きだと思った。

『…ばか…。』

「ん、可愛い。大好きだよ。」


end