夕御飯を食べたあと、お土産も食べながら、組のみんなはお酒を飲んでる。

私と桐ママは紅茶を飲みながら、紅いもタルトを食べてた。

なんだか廊下からバタバタ足音が聞こえてきて。

「オヤジ!蓮知らないかっ?!」

豪快に襖が開けられ、桐が入ってきた。

私は咄嗟に隣の部屋に入って身を隠す。

こういう時、全て襖の広間だと逃げやすい。

てか、私はなんでこんなに逃げてんの?

よくわからなくなってきた。

私の気持ちの方が上で、桐の気持ちが減っちゃったと思ってたけど、桐はこんなに追いかけてきてくれる。

真っ直ぐな桐をまた信じてみてもいい…?

でもまた舞花みたいなヤツが現れたら…?

なんだか堂々巡りだな。

「桐十、何しに来た?蓮に何かしたのか?」

桐パパの低い声がする。

「ああ…1週間傷つけ続けて、さらにもっと苦しめた。」

怒り立ちあがる組員達。

「若っ?!」

「お嬢を大事にしてないんですかっ?!」

「オレ達はお嬢が嫁にくるのを楽しみにしてんっすよ!」

酔っぱらいのはずなんだけど、本心だとわかる言い方がすごく嬉しい。

「桐十…蓮はしばらく桐と距離を置きたいと、ここに挨拶に来たぞ。理由は聞いてねぇ。まず、ここに来て筋を通すところが、蓮らしい。」