そして、あやふやな気持ちのまま、帰路に着く。

ちなみに何故いる場所がわかったかというと、虹が送った私の水着の写メにはバッチリホテルが写ってたそうで。

有名だから調べたらすぐにわかったみたい。

空港について、疲れた私は迷わず家までタクシーを使う選択肢をとる。

『じゃあ、ここで。私、行かなきゃいけないところがあるから、桐、虹またね。』

「蓮?」

桐の呼び止める声も聞かず、さっさとタクシーに乗り込んだ。

行かなきゃいけないところ…それは。

『おじゃまします。』

「蓮ちゃん、久しぶり~。元気にしてた?」

嬉しそうに迎えてくれる桐ママ。

リビングに行くと、桐パパと側近の桂(かつら)さんがいた。

『お久しぶりです。』

「蓮、少し見ない間にまたキレイになったな。で、今日はどうした?桐十と何があった?」

桐パパにはお見通しみたい。

何か…じゃなく、何がって聞かれちゃった。

少し目を伏せたあと、真っ直ぐ桐パパを見つめて。

『しばらく桐と距離を置きたいの。桐よりも私の方が桐を思いすぎて、バランスがとれてないなって…この1週間思ってて…。娘になるつもりだったのに、こんなこと言ってごめんなさい。』

「お嬢?!若の嫁にならないのか?」

焦って早口になる桂さん。

いつもは冷静、無口がトレードマークな人なのに。