防音だけど、微かに聞こえるスタジオ内。

ドアのガラス部分から覗くと。

そこにはマイクを持って立っている舞花。

横にはギターを持つ桐がいて、祢音も凱も定位置にいる。

なんで…?

私の場所に舞花がいるの?

舞花は嬉しそうに桐を見ながら歌ってる。

桐が作ったオリジナルの曲で、「蓮のこと思って作った曲だよ。」って、笑顔で言ってくれてたよね?

「蓮、行こ?」

いつのまにか、横には虹がいて。

黙ったまま手を引いてくれるから。

抵抗もしないで、初めて虹についていく。

なんか、もうどうでもよかった。

だんだんクリアになってきて、ただただ癒されたいと思った私が考えたのは温泉だったんだけど。

どうせなら旅行を…との、虹の言葉に珍しくのり、冒頭へと戻る、と。

で、予想外の沖縄ぶらり癒しの旅へと二人、旅立ったのでした。